「石井方式」とは教育学者・石井勲博士が長年の教育実践から提唱している幼児期における言葉の教育方法です。人は言葉で物事を理解し考えます。思考を支えるのは言葉です。その土台作りを記憶力の優れた幼児期の早い段階から、漢字かな交じりの日本語表記に親しんでもらい、語彙を増やし、日本語を正しく深く理解する力を育てることを目的とした教育方法です。
「ちょっと質問!」
「まだひらがなも読めないのに、漢字なんて!?」と思われるかも知れません。漢字は一見複雑に見えますが、だからこそ特徴があり、識別しやすいとも言えます。象形文字ですから具体的な意味や内容を表しているため、子どもは絵を見るのと同じように理解します。
一方、ひらがなやカタカナは音を表しているだけで、一字一字に何の意味もありません。機械的に言葉を記憶する能力の盛んな幼児期には、意味のないひらがなやカタカナよりも、漢字の方がずっと記憶に残ります。たとえば「にわに にわとりが にわ いる」と表記されているよりも「庭に鶏が二羽いる」と書かれている方が、すぐに理解できます。
ひらがなの「は」「な」よりも漢字の「花」「鼻」の方が、子どもたちにとっては区別しやすい文字なのです。
「幼児期からの漢字を与えるのは早すぎ!?」と思われるかも知れません。好奇心の旺盛な幼児期に、具体的なイメージを表す漢字に関心を持ち、学んでいくのは自然なことです。 努力もいらず、負担にもならず、スポンジのように吸収できるのが幼児期です。小学校へ上がった子どもは理屈でものを覚えるようになるので、機械的に暗記するのが苦手になり、学習が苦痛になります。ですから、幼児期から漢字を与える方法は、早期教育でも英才教育でもなく、幼児の記憶の特性を活かした「適時教育」です。
「読書が好きになり、言葉が豊かになります」
本を読むことは人の知的成長を大いに促します。漢字かな交じり文に親しんで、漢字の力を身につけた子どもたちは、本がますます大好きになります。自分で読め、理解できることが嬉しいのです。また、読書量が増えると、知っている言葉の数も増えます。そして、たくさんの言葉の使い方を知ることで、自在に言葉を操れるようになり、将来の論理的な思考や表現へとつながっていきます。
文章を読んで理解することは、国語力の柱です。この国語力こそが、小学校に上がってからの全ての教科の基礎となります。
「豊かな思考力が育ちます」
言葉は、具体的な意味が分かり、使い方を理解して初めて身に付きます。ひらがなで、「はし」と書かれていても何のことかすぐに分かりませんが、「橋」「端」「箸」と漢字で表記されると素早く正確に意味がつかめます。正しく言葉を理解し、その語彙が豊富になることが、豊かな思考力が養われることになります。
「集中力が高まります」
石井方式を取り入れた「漢字かな交じり」の絵本を毎月定期購読(「2・3歳児クラス」は隔月)していただきます。毎月初めは絵本に出てくる漢字の読み方をフラッシュカードで覚え、絵本を先生と一緒に音読します。慣れてくると子ども達だけで音読します。こうすることで子ども達は目と耳の両方から言葉を吸収していきます。そして絵本に集中する力と教師の話に集中する力が養われます。
「幼稚園でこんな環境作りをします」
- 子ども達の名前は親が我が子のために、いろんな期待と思いを込めて付けた名前です。それゆに名札や棚等の名前は親から付けられた本来の文字で表記します。
- 定期購読の絵本は漢字かな交じりです。時間をかけて丁寧な指導を通して、子ども達が無理なく確実に読めて、物語の内容に親しめるようになります。
- 家から一歩外に出ると、店の看板、標識など、ひらがなだけでなく漢字も溢れています。園内をひらがなのみの空間にするのではなく、漢字かな交じりの表記にして、子ども達の日常と同じ環境を設定し、自然に漢字かな交じりの表記に親しんで行きます。
- 毎朝の出席調べは名前を漢字表記したフラッシュカードを使ってします。自分の名前がいつ出てくるか、子ども達は緊張しながら先生の手元を注目します。
<文責> 勝山幼稚園 チャプレン(武井義定)


