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子育てQ & A

Q1 下品な言葉遣い

Q.2歳7カ月の男の子です。以前は素直だったのですが、最近は親の言葉かけに対して、反抗的になり、「いや!」という返事が多くなり、「ばか!」などと困った言葉を使うようになりました。あまり注意するのも逆効果だと思い、聞き流すようにしているのですが、どのように対応したらよいでしょうか。

A.3歳前後は第一反抗期と呼ばれている子どもの発達段階で、この頃に自我が芽生え始めるます。自分と他の人とは違うという意識を持ち始めるようになったのですから、子どもが言い返してきた言葉に腹を立てずに、ここまで順調に大きくなっているのだということを喜んでください。(逆に、いつもニコニコとしていて、何の反抗もしない子どものほうが気がかりです。)

子どもが「いや!」と、すぐに反抗的に返事したからといって、必ずしも子どもの本心ではないことが多いようです。口先だけでの反抗で、口答えをしているに過ぎないときもあります。

これぐらいの反抗的な言葉で、親との信頼関係などくずれるはずがないという確信があるからこそ、「困った言葉」を使っているのです。

4~5歳になると、言葉の能力はどんどんのびていきます。言葉だけで、周囲の人間を動かせることを知るようになります。そうなると、漫画の「クレヨンしんちゃん」のように、もっともっと反抗的な言葉やふざけた言葉で親や周囲をからかうようになるかも知れません。

怒ったり、笑ったり、適当に相手してください。そういう年齢になったのだということを喜んでください。

Q2 早期教育

Q.2歳半の女の子です。近所の友だちの同い年の子どもたちは、ピアノやスイミング、英会話と、習い事をしています。近所の子どもたちが習い事に通っていると、我が子も行かせなくてはと、つい、あせってしまいますが、こんなに早くから習い事をさせなくてはならないのでしょうか。

A.基本的には、子どもがやりたがっていることを、やらせるのが本来ですが、子ども自身、自分がなにを本当にやりたいのかは、よく分かっていません。なにをやらせるにしても、無理強いをしないことが大切です。

子どもにはタイプがあって、なんでも興味を持って一度は手出しをするのもいれば、引っ込み思案で自分でできそうにないものは絶対にしない、石橋をたたいても渡らないのもいます。子どもは両親の遺伝子を引き継いでいるのですから、親が子どもの頃はどんな性格であったかをよく思い出して、ともかくも無理強いはしないことです。適度に積極的で、要領もいいという、理想的な子どもは絶対にいません。

習い事は親の子どもへの願いから始まるのですから、「何のためにやらせるのか」を十分に考えてください。「ほかの子どもはできているから、自分の子どもにもさせたい!」という親の見栄ではなく、子ども自身がなにに興味を持っているか、よく見極めてください。

積極的な子どもは自分からやりたいことを言い出しますが、消極的な子どもは親のほうから、とりあえず連れて行って、まずは体験させて、様子を見るのもひとつの方法だろうと思います。いやがる子どもを無理に押すのか、それともあっさりと引くのか、難しいところですが、そこがまた子育ての面白いところでもあります。「読み・書き・算数」は早い時期から始めたら確実に伸びるというものではありません。

Q3 母親だって休みたい!

Q.1歳半と4歳の子どもがいます。毎日、毎日、子育てに追われて、ストレスがたまり、そのイライラを、子どもには悪いと思うのですが、気がつかないうちに子どもにぶつけています。もっとゆとりを持って子どもと向かい合いたいと思うのですが・・・。

A.一日中、子ども達と向かい合っていて、ストレスがたまるのは当然のことです。

ストレスを溜めないためには、どうしてもお父さんに手伝ってもらわなくてはなりません。

お父さんも仕事で忙しくされていて、職場でストレスもたまり、たまの休みの日にはひとりの時間がほしいでしょう。

しかし、家で二人の子どもと一日中向き合っていて、四六時中、子ども達に振り回されているお母さんのほうが、きっとストレスは大きいだろうと思います。

仕事は頑張ればそれなりの見返りが期待できますが、子育てはいくら頑張ってもすぐに見える形で成果が出てくるものではありません。

母親はむなしい努力をしているのではないかと思うときもあります。

お父さん、週に一回、半日でいいですから、子どもの面倒を見て、その間にお母さんを外出させてあげてください。

二人の子どもを、日頃あまり関わっていないお父さんに託すお母さんのほうも、「子ども達は大丈夫だろうか」と心配でしょうが、気分を切り替えて外に出て、ひとりの時間を楽しんできてください。

最初はお父さんは戸惑うでしょうが、いままでは見ていなかった子どものいろいろな面を発見するでしょう。

外出から帰ってくると、部屋はおもちゃにあふれていてびっくりするかも知れませんが、お父さんは最初から完璧にはできません。

少しずつ進化していきます。

そんなお父さんをほめることを忘れないでください!

「泣いたときはどうすればいい?」

「そんなときはこの子はこのおもちゃを持たしたら喜ぶよ!」

と、いままでにはなかった会話がはずむようになると思います。

Q4 小食の子ども

Q.4歳の男の子ですが、小食で、食べることに全く無関心です。おまけに食べる量は少ないのに、時間がかかります。体つきは細いですが、特に体が弱いということでもありません。無理にでも食べさせるのがいいのでしょうか。

どれだけの量を子どもは食べているのでしょうか?

少しも食べない?

小食の子どもとは、どれだけ食べない子のことをいうのか、はっきりとした基準はありません。

おそらく、お母さんが願っている量を食べないので、小食ではないかと心配されているのでしょう。

たとえ体つきは細くても、健康であれば何も心配いりません。

一定の量を食べるように強制する必要もありません。

子ども自身は自分のことを「小食」だとはちっとも思っていません。

子どもは自分に必要な栄養は本能的に取っています。

子どもはこの世に生まれた限り、精一杯生きようとしており、もともと小食の子どもは、ふだん食べている量で自分の成長に必要な栄養を取っています。

おやつを食べていたり、ジュースを飲んでいたりして、食事以外の時に口にしているものもあるでしょう。

幼児期の子どもの食事の量は子どもの好きなようにさせてください。

幼児期は食事に時間がかかるものです。

見ている親にとってはイライラすることかも知れませんが、ガミガミと叱らないで、根気よく付き合ってください。

大人が食べさせてばかりいると、子どもはスプーンやお箸の使い方になかなか慣れず、かえって食事が遅くなります。

子どもとの根気強い付き合いが、少しずつ子どもの意欲を高めていきます。

もともと普通に食べていた子どもが、急に小食になったとするならば、何か原因が考えられます。

体の異状がないか、精神的なストレスを受けなかったか、ここ最近の出来事を振り返って、気になることがあれば医者に相談してください。

Q5 母が働くことは、子どもにプラス?マイナス?

Q.2歳と4歳の子どもがいます。毎日、子どもたち相手の生活に少々疲れ気味です。おまけに家計も何かと物入りで、パート仕事を始めようと思っているのですが、「三つ子の魂、百まで!」という言葉を聞くにつけ、子どもを保育園に預けるのをためらっています。

A.厚生省の研究班が2004年(平成16年)に発表した報告によれば、「保育園で過ごす時間の長さは、子どもの発達にほとんど影響せず、家族で食事をしているかどうかが、子どもの発達を左右する」と言います。子どもが三歳くらいまでは、母親が子どものそばにいて育児に専念すべきだという「三つ子の魂、百まで!」という「三歳児神話」は、あまり根拠はありません。幼児期にお母さんの暖かい愛情に包まれることは大切ですが、24時間、母が子どものそばにいて、育児に専念しなければならないということではありません。

3歳までの子どもにとって一番大切なことは、自分に対する肯定感が与えられることです。つまり、自分が生まれたこと、このように生きていることは、周囲の大人、とくに両親からは歓迎されていて、自分は大事に育てられている、受け入れられている、愛されているという思いが、さまざまな機会を通して伝わることです。たとえ保育園に子どもを預けていたとしても、食事を一緒にする、お風呂に一緒に入る、休日はたっぷりと子どもと遊ぶという時間を作ってください。

周囲の意見に惑わされず、自分の気持ちを大切にしてください。自分は「仕事」と「子育て」を両立させるほど器用でないと思うのであれば、子どもがそれなりの年齢になるまで、子どもと一緒にいてください。 自分は四六時中、子どもと一緒にいるとストレスがたまるばかりで、子どもにイライラと当たってしまって、子どもに優しくなれないと思うならば、仕事に出るのもひとつの生き方です。

Q6 チック症

Q.5歳の娘と3歳の息子がいます。最近、娘がなにかにつけて、目をパチパチするようになりました。小さい時から神経質な子どもで、特に弟が生まれてからは「赤ちゃん返り」も見られるようになりました。母親の目の届かないところでは弟をいじめている場面もあります。

A.本人の意思に関わりなく、目をパチパチさせたり、首を頻繁に振ったり、口をとがらせたり、歩いている時に急に飛び上がったり、奇声を発したりする症状を「チック症」と言いますが、周囲から何かと注意される本人もつらいことです。

子どもは誰でも、すくすくと順調に育っていくものではありません。成長の節目と呼ばれる時期には、つまづきながらジグザグの歩みをしていきます。自分の力をうまく出せない時、周囲が自分の思い通りに動かない時など、精神的に不安定になって、心理的な反応として、このような症状が一時的に見られることがあります。子ども自身も自分が何につまずいているのか、はっきりした自覚があるわけではありません。そうなってくると、イライラしてきたりして、いままで順調に流れていた水の流れが急にせき止められたような感じになって、チック症が出てくるものと思われます。チック症は病気ではありませんので、心配の必要はありません。かえって周囲の大人が気をつけなければならないことは、無理にやめさせようとして叱らないことです。まばたきを無理にやめさせようとすると、首を振るといった他のチックに変わるだけに過ぎません。「そのうちになくなるだろう。子ども、それなりに苦労しながら成長していくものだ。」と周囲がゆったりとした気持ちで見守りながら接していれば、多くの場合は、半年や1年くらいで消えるものです。周囲があまり心配しすぎると、かえって症状は消えにくくなります。弟との関係は時間が解決するでしょう。

Q7 死を考える子ども

Q.5歳の長男に「お母さん、人は死んだらどうなるの?お母さんも死ぬの?」と、ある日突然に聞かれ、どう答えたらいいのか戸惑いました。大人でも答えようのない質問に、どのように対処したらいいでしょうか。

A.人間の死について年長組の子どもたちによく聞かれます。

子どもによっては大人が考える以上に、人間の死について関心を持っているようです。

このような質問を突然に受けたときに、親は大いに戸惑うのは当然ですが、特に注意しなければならないことは、「そんなつまらないことは考えないの!」とか「変なことを言わないの!」と、子どもの疑問に頭ごなしに否定しないことです。自分が死ぬということを考える子どもと、親が死ぬということを考える子どもがいます。いずれにしても、子どもにとって「死」を意識することは恐ろしいことです。

親がいなくなることを考えるのは、とても寂しいことです。そんな子どもの不安なこころに、そっと寄り添ってください。

私たち大人にとっても、「人は何のために生まれてきて、何のために生きていて、死んだらどこへ行くのか」という問いかけに、そう簡単に答えられるものではありません。

「そうね、死ぬってこわいね」とか「死んだら天国に行くのかな?」とか「大丈夫よ、○○ちゃんが大人になるまでは、お母さんは元気に生きているから」など、正直な大人の気持ちを伝えてください。「うちの子どもは神経質だ」などと心配をしないで、死に対する不安な気持ちを子どもと分かち合っていると、そのうちに子どもは自分なりに答えを見つけるだろうと思います。また、親自身も日頃から死生観を紡ぐことを忘れないでください。 『葉っぱのフレディ-いのちの旅』(童話屋)を年長組の子どもたちに読み聞かせましたが、熱心に聞き入っていました。

Q8 上手な子育て

Q.3歳の子どもがいます。上手な子育ての方法はないでしょうか。子どもはなかなか言うことを聞いてくれないし、思い通りには育ってくれません。毎日、毎日、腹が立ったり、情けなく思うばかりです。

A.効果的な「上手な子育て」というのは、残念ながらありません。

あるとするならば、すぐには効果は現れないと思いますが、子どものために「こころを使う」ことが「上手な子育て」だろうと思います。

たとえば「お弁当」。

お弁当を用意することは時間と手間のかかることです。

コンビニや惣菜屋から買ってきて弁当箱に詰めること、時間も手間もかかりません。

けれども、そんな出来合いのお弁当を食べる子どもの心と、「子どもの好きなものを入れてあげよう!おにぎりは俵の形?それとも三角おにぎりがいいかな?おにぎりの中には何を入れよう?」と親が「こころを使って」作ったお弁当を食べる子どもの心は、どちらが踊るでしょうか?

食べ終えたお弁当箱を差し出す子どもと楽しい会話が展開されるのは、どちらのお弁当でしょうか。

子どもに「これ買って」と言われれば、親はだいたい買ってあげています。

しかし、そのときに、「このおもちゃを買うのはこの子のためにいいことだろうか」とちょっと思い止まってみる。

おいしそうなショートケーキをねだられたときに、「子どものせがまれるままに買っていいものだろうか」と一呼吸考えてみて、「ケーキは何かの記念日に食べるもの。今度のお父さんの誕生日まで待って!」と「こころを使って」みる。

親が「こころを使う」工夫をなにかにつけてしていると、子どももそれなりにこころが踊る体験をします。

この「こころが踊る」体験が、子育てには大切なことではないかと思います。

この体験は子どもが思春期になったときに、大きな支えになります。

また、親が子どものために「こころを使う」ことは、親自身の「こころをお世話する」ことです。

Q9 おむつが取れない

Q.2歳5カ月の女の子です(6カ月の弟がいます)。まだおむつがとれません。来年の幼稚園入園までに自分でトイレでおしっこができるようにしておきたいのですが、どのように指導すればよいのでしょうか。

A.おむつはいつか必ずとれるようになりますから、ゆったりとかまえて、決してあせらないでください。

下に弟や妹がいた場合は、お姉ちゃんになるよりも赤ちゃんのままでいたいという願いで、トイレット・トレーニング(尿意を感じて自分の意志でおまるやトイレで排尿できるようにすること)が進まないケースはよく見受けられます。

また他の人に干渉されるのをいやがる2歳前後では、何をやらせても「イヤ、イヤ」と言います。

多くの時間を我が子とともにしている親ならば、子どもが尿意をもようしている様子はわかるでしょうから、「おっしこにいく?」とか「おっしこ、でたの?」などの声がけをするようにしてください。

こうした声がけの繰り返しの中で、子どもは意識しながら排尿をするようになりますから、タイミングを見計らって思い切って「おむつ」から「パンツ」に切り換えたらどうでしょうか。

パンツをはいていて足元におしっこを流すということもあるでしょうが、決して叱らないでください。

ただし「おしっこ!」と言えて、トイレでしたときには、大いにほめて、一緒に喜んでください。

下に弟や妹が生まれると「赤ちゃん返り」といって、以前にも増して手を焼くような行動を取るようになります。

兄や姉にとっては、それまで自分に向けられていた関心が一挙に弟妹に集中するのですから、とても不安になり、トイレット・トレーニングだけでなく他の点でもいろいろと親を困らせます。

厳しい態度で子どもに接するのではなく、ゆったりとした気持ちで、そのうちになんとかなると思ってください。

Q10 きたない言葉

Q.4歳の子どもですが、このごろきたない言葉を使うようになりました。「シネー」「ウルセェ、くそばばぁ」など親は聞いていて不愉快です。思わず「そんな言葉、使わないで!」と叱ってしまいます。幼稚園の友達の間でも、このようなきたない言葉が使われているようですが、このような言い方をしないように厳しく指導した方がいいでしょうか。

A.あまりむきにならないでください。

多くの場合は、そのような「きたない言葉」を周囲に発して、自分に対して注意と関心を向けようとしています。

子どもはそのように思っていなくても、逆の言葉づかいをするのは珍しくありません。

子どもも心得ていて、誰にでも区別なく「きたない言葉」を言っているのではありません。

「これくらいのことは言っても決して自分のことは嫌われないだろう」と確信できる相手を選んでいます。

「しね、くそばばあ!」と母親に言うと、母親がカァ~となって子どもを叱り飛ばす。

子どもにとっては思う壺です。

母親が自分に対してだけ注意と感情を向けてくれたのですから。

しかし、こんな子どもの悪態も意図的なものではなく、本能的なものです。

子どもがそのような行為をとったとき、親として少し振り返ってみてください。

下の子のお世話に手間と時間と取られ過ぎたり、ほかの理由で、その子に注意と関心をあまり向けいなかったことはないですか。親を怒らせるような行為をしたときには、子どもの「こちらを向いて」というサインだと思ってください。

それと「クソババア」と言われたとき、「アレッ、今頃気づいたの?本当はもっとこわい鬼婆よ!」とか、逆に「ありゃ、そんなに見えちゃう?! ママは、○○ちゃんのこと、大好きなのに!」と、相手の気持ちをくみ取って、言葉のやりとりをしてください。

幼稚園を卒園するころには、「きたない言葉使い」から卒業するでしょう。

Q11 子どものケンカ

Q.5歳の男の子で一人っ子です。幼稚園ではおもちゃの奪い合いでけんかをするし、「仲良く遊びなさい」と仲裁に入ると、「あいつが悪い。僕は悪くない。」と、決して仲直りしようとしません。親はどこまで介入すればいいのでしょうか。

A.この時期の子どもは気が合う友達同士とは長時間にわたって遊ぶことができますが、自分の気持ちを言葉で相手に十分に伝えることは苦手です。

言葉で伝える変わりに、たたくとか、けとばすという方法で気持ちを伝えようとします。

ですから、自分にとって遊びやすい・友達というのが自然に限定されます。

子どもはけんかを繰り返すことによって、友達とどのような距離をとりながら付き合うのかという人間関係を学んでいきます。

今日はけんかをしていても、翌日には何事もなかったかのように一緒に遊んでいます。

親の個人的な感情で子ども同士のけんかには介入しない方が、多くの場合はいいようです。

親のすることは、けんかをした子どもの悔しい思いを聞くことではないかと思います。

「やられたらやり返してこい」は禁句です。勝ち負けよりも、自分の思い通りにならなかった切ない気持ち、悔しい気持ちを子ども自身が存分に味わって、それらの気持ちを親がしっかりと受け止めることです。

子どもがそのときの気持ちを言葉で十分に表現できなかったら、

「そうだったの、それはかわいそうに。いきなり自転車を横取りされたの。いやだったねぇ。もっと乗りたかったのにねぇ」

と、そのときの気持ちをフォローしてください。

まだ子どもが2歳~3歳以下ならば、人との関わり方を教えることも必要です。

一台の自転車を長い時間、ひとりで独占して使っていたのら、「順番だから貸してあげようね!」とある程度で我慢するルールを教え、横取りした子どもには「貸して!」と声かけをするというルールを教えることも必要です。

Q12 ことばの遅れ

Q.5歳の女の子と3歳の男の子がいます。3歳の男の子のことばの発達が少し遅いような気がします。何が原因なのでしょうか。子育ての仕方に何か問題があるのでしょうか?

A.知的な遅れや聴力の障害、発声発語器官の障害、あるいは大脳中枢神経の障害などの場合は、言葉の習得は遅いでしょうが、その場合は行動面や情緒面でも気になることがあるだろうと思います。

こんなときは、ぜひ専門機関に相談してください。

そのような障害が認められないのに、言葉の習得が遅れているのではなぜでしょうか。

子どもの言葉の発達は環境に左右されるところが大いにあります。

一番に大切なのは周囲の大人たち、とくに養育に関わっている親との安定した人間関係です。

あたたかい安定した人間関係の中で、たくさんの言葉を聞いて、たくさんの感情交流をして、子どもが話したい意欲が深まり、言葉は著しく発達していきます。

弟や妹があまり話したがらない、あるいは話す必要のない環境があるのかもしれません。

言葉で表現しなくても、お兄ちゃんやお姉ちゃん、

お母さんたちが、その子の気持ちを読み取って、必要なお世話を子どもに言われる前にしていませんか?

こちらの言葉かけを十分に理解しているようなら言葉の遅れを深刻に受け止める必要はありません。

これから以下のことに気をつけてください。

(1)子どもが話しかけるのを待つだけではなく、周囲の家族が積極的に話しかける。

感情のキャッチボールを心がける。

(2)テレビやラジオをつけっぱなしにしない。

食事時には消す。また毎日長時間、テレビゲームは絶対にしない。

(3)絵本の読み聞かせの機会を多く持つ。

ただし、機械的に読んだり、「教えてやろう」という目的で読んだのでは逆効果です。

子どもと一緒に楽しみながら読み聞かせをしてください。

Q13 体罰は許される?

Q.3歳の男の子は親の言うことをなかなか聞きません。そのようなときは、つい手が出てしまいます。わたしは親から厳しい体罰を受けて育ちましたが、思い返せばそのようにしつけをしてくれたからこそ、今日のわたしがあると感謝しています。

A.「愛のムチ」と体罰を肯定する立場の人もいますが、わたしは親が感情にまかせて子どもに体罰を加えることには賛成できません。

漫画の「クレヨンしんちゃん」では母親のみさえさんは、しんちゃんに「母ちゃんのグリグリ」をしていますが、これはひとつの決まりきった儀式ですので、許される体罰かなと思っています。

そんな悪さをすれば決まって「グリグリ」をされる。

子どもは「そこで、しまったまたやってしまった。グリグリをされるのも仕方ないか」と納得するという毎回お決まりのことならば、子どものこころには傷として残らないと思いますので、悪くはないと思います。

しんちゃんも、どこまでのことをやれば、この「グリグリ」をされるのか分かっていますから、「グリグリ」は悪さをしないためのある程度の歯止めになるでしょう。

しんちゃんは、たとえ母のみさえさんからそのように「グリグリ」をされても、その「グリグリ」は「母さんは僕のことを嫌いなんだ、僕のことは大事に思っていないんだ」という否定的なメッセージとしては受け止めていません。

ですから、絶対に避けなければならないのは、親のそのときの感情にまかせた体罰です。

同じ悪さをしても、あるときは頭をげんこつで叩かれ、あるときはほっぺを平手でパチンとされる、あるときは足蹴にされるというような、そのときの親の気分次第で体罰を受けることは、子どもにとっては「僕は、私は、大事にされていない」という否定的なメッセージとして受け止めます。

繰り返し親から体罰を受け続けてきた子どもは、近い将来、なんらかの問題を抱えるようになることが報告されています。

Q14 しつけ?虐待?

Q.5歳の男の子につい手が出てしまいました。赤くなったその子のほっぺを見て、やり過ぎた、やるんじゃなかったと、大いに反省しました。子どもにしたことは「しつけ」だったのか、「虐待」だったのか、大いに子どものこころを傷つけたのではないかと心配です。

A.なかなか親の言うことをきかない子どもを前にして、思わず感情的になって、つい手が出てしまう、よくあることです。

わたし事ですが、次男(現在大学3回生)が小学校低学年のときに、つい手が出て後頭部を思い切りしばきました。

食卓の椅子に座っていた次男は前のめりになり額をテーブル上のグラスに打ちつけ、額は見事に割れて血が流れました。

「しまった!」と悔いても後の祭り、「ごめん!」と慌てて血が流れ出る額の傷口の手当てをしました。

後にも先にも、彼に手を出したのは、これが最初で最後です。

「子どもに手をかけるのは絶対に止めよう」と固く自分に言い聞かせました。

親子の場合は、何の遠慮もありませんから、時には生の感情がもろに出てしまいます。

少しくらい厳しく子どもにあたってもいいのです。

しつけをするときに、「あいまい」になることが問題です。

「悪いことは悪い」とピシッと一本の線を通すことが大切ではないかと思います。

しかし、忘れてはならないのは、子どもをしつける前提にあるのは、親子の暖かい信頼関係です。

それが土台にあるから、少しくらいつらく当たっても許されるのです。

注意しなくてはならないのは、子どもが「憎い」という感情がとどめもなく溢れ出てきて親の気持ちがおさまらないときです。

どうしてそうなるのか、親自身の子どもの頃を振り返る必要があるでしょう。

思わず子どもに手を出して、その晩に子どもの寝顔を見ながら後悔する気持ちがわいてきて、さらに子どもがいとおしく思えてきたのなら、それは「虐待」とは言えないでしょう。

Q15 自分の非を認めない子ども

Q.明らかに責任は自分にもあるはずなのに、絶対に認めようとしません。先日も友達が帰ったあと、部屋がきたないので片付けるように言うと、「○○ちゃんが片付けなかったから! 僕は片付けた!」と頑固に言い張ります。プライドばかり高くて困っています。どう接すればいいでしょう。

A.その子は決してプライドの高い子どもではありません。

プライドを持っている子どもは、自分自身で自分のことを肯定的に受け入れています。

「自分は必要とされている、自分は家族から愛されている、自分は生きる価値のある人間である・・・」

というふうに自分に対して自分自身でそれなりの評価をしています。

自分の非を絶対に認めようとしないということは、これ以上自分の評価を下げたくない、これ以上自分の存在価値を否定されたくないという無意識の心の動きだと思います。

もしかして、これまで子どもを認めることよりも、子どもをほめることよりも、子どもを叱ることの方が多かったのではないでしょうか。

だから、その子はその子なりに、叱られまいと知恵を絞って言い訳をしたのです。

この場合、その子の非を責めるよりも、まずはその子の主張を受け入れてください。

「そう友達が散らかしたんだ。あなたは片付けたんだ。偉かったね!でも、やっぱりこんなに部屋が散らかっているのは気持ちよくない!お母さんも片付けるから、手伝ってくれると嬉しいな!」

と言ってみてください。

きっとその子も一緒に片付け始めると思います。

こんなときのポイントは、まず「プライドを持っている」その子の主張を認めることです。

その子の「存在」を受け入れたうえで、結果的には部屋を片付けていないというその子の行動については、「片付けた方がいいよ」と叱るのではなく促すのです。

叱られることは自分を否定されたと思います。

促すことはその子の存在を認めています。

Q16 子どもの「うそ」

Q.我が家の4歳の男の子は、最近よくうそをつくようになりました。先日も通園カバンの中に見慣れないブロックが入っているので、問いただすと「○○ちゃんにもらった」と言います。実は幼稚園の備品でした。こんなうそをつく我が子を情けなく思いました。

A.子どもは、特に幼児期は、見え透いたうそをついても平気な顔をしているので、

それだけに「嘘をつくのは泥棒の始まり」と教えられてきた親としては情けなく思います。

うそには

【1】自分で事実とは違うことを分かっていてつくうそ

【2】分かっていない無意識的なうそ

【3】病的なうそ

この三つがあります。

大人がつくうそと、子どもがつくうそは区別されなければなりません。

子どものうそは病的なものではなく、幼児がうそをつくのは、

【1】現実とうその区別がつきにくい

【2】自分の願いが結果的にうそをつくことなる

【3】悪いことをした自分を叱られないように守るためのうそ

【4】周囲の身近な大人や親の注意を引きたいためのうそ

などいろいろなうそがあります。

うそをつく子どもに対する親の対応は、「どうしてうそをつくの」と、正面から子どもを叱りつける対応になりがちです。

うそは悪ですが、ここでうそをつかざるを得なかった子どもの気持ちをくみ取りたいと思います。

子どもをかまいすぎて自立を妨げていませんか?

あるいは日頃の忙しさの中で子どもと正面から関わる時間が少なくなっていませんか?

子どもが親によくうそをつくようになったとき、親の子どもに対する関わりのありようを振り返る時ではないかと思います。

子どもに過干渉になりすぎても、放任になりすぎてもいけないのです。

年齢が上るにつれて、子どもは現実的なことが身についてきますので、うそをつくことが少なくなります。

幼児期のうそは、空想遊びとしておおらかな気持ちで受け止めて、子どもの様子を見てください。

Q17 爪かみ・指吸い

Q.幼稚園年長組の女の子ですが、「爪かみ」の癖がどうしても直りません。ひとりでボーッとしているときなど、必ずと言っていいほど「爪かみ」をしています。注意するとすぐにやめるのですが、またいつの間にか再開しています。この癖は直るのでしょうか。

A.「爪かみ」は、「指しゃぶり」や「指吸い」と同じような習癖です。

そもそも私たち人間は、誕生後は口から世界を知っていきます。

お母さんのおっぱいを口から吸い、満足を得るところから始まります。

赤ちゃんは、お腹がすいたとき、眠いとき、寂しいときなどは、指を口にくわえながら宙を見ています。

指は赤ちゃんにとっては大好きなお母さんの代わりに自分の心に安心や満足や慰めを与えてくれるものだからです。

そのうちに「指しゃぶり」や「指吸い」よりも楽しいことを次第に見つけていって、自然と見られなくなるものですが、

この習癖は子どもによってはそのうちに「爪かみ」へと変わっていく場合もあります。

あるいは生活環境の急な変化や対人関係のストレスが契機となって「爪かみ」を始める子どももいます。

中学生頃に見られなくなるケースが多いようですが、大人になってもこの癖が直らない人や、鉛筆をかんだりする人はよく見かけます。

他の子が「指吸い」や「爪かみ」をしていてもあまり気にならないものですが、我が子がしているのを見ると「情けない」と思ってしまいます。

指を吸っていようが、爪をかんでいようが、別にいいのです。

その子はそのようにすることによって心の安定をはかるための工夫をしているのです。

お父さんやお母さんが我が子のそのような癖をきつく叱ると、かえって子どもは萎縮してしまい、

よけいにその癖が頻繁になるという悪循環を起こしかねません。

お父さんやお母さんの子どもの頃の癖はどうでしたか。

もっとおおらかな気持ちで子どもに接すると、そのうちに軽減します。

Q18 「がんばれ」よりも「がんばってるね」

Q.わたしの口癖は「がんばれ、がんばれ」です。子どもが幼稚園に行きたがらないときも、スイミングに行くのをしぶるときも、「○○ちゃんも、がんばってるよ! がんばれ!」です。 この間は子どもからイヤな顔をされました。ほかに適当な声がけはあるでしょうか。

A.私たち大人は、子どもたちに口癖のように「がんばれ」といっています。

子どもを叱咤激励のつもりで、あるいは「あなたのことを見守っているよ、心配しているよ」というメッセージを送るつもりで

「がんばりなさい」と声がけをしています。

逆の立場になって子どもの気持ちを考えてみましょう。

お母さんは朝から赤ちゃんのお世話に追われ、朝食の用意、お兄ちゃんやお姉ちゃんを慌ただしく幼稚園に送り出し、

家の片付け、掃除、洗濯、赤ちゃんの泣き声にあわててそばに行き、おむつの交換・・・

一日は休む間もなくたちます。

子どもたちをお風呂に入れて寝かしつけ、ウトウトしているところに夫の帰宅。

「何だ、部屋の中がちゃんと片付いていないじゃないか。そんなにダラダラしないで、もっと頑張れよ!」と言われたら、

どんな気持ちがするでしょう。

「自分は朝からこんなに頑張っているのに、これ以上なにを頑張れと言うの!」と文句を言いたくなります。

そんなとき、「毎日、大変だね!家族のために頑張ってくれているんだね!」と言われたら、つい嬉しくなり、元気が出てきませんか!?

子どもも同じ気持ちです。子どもは子どもなりに、一所懸命にやっているつもりだし、いろいろと苦労もあるのです。

子どもによっては「がんばれ、がんばれ」を言われるとかえって気持ちの負担になります。

「がんばれ」と言われてその気になる子もいますが、我が子はどうでしょう。

どの子も「がんばってるね」「よくがんばったね」という声がけは、自分をちゃんと認めてくれているのだと嬉しく思います。

Q19 父親が子どもを叱ろうとしない

Q.私の主人は子どもに叱ることをしません。ゲームに夢中になって寝ようとしない子どもを叱るのは、いつも母親の私です。「そんなにガミガミと叱るなよ。眠たくなったら寝るよ!」が主人の言い分です。いつも子どもを叱ってばかりの私はイライラしています。

A.子どもを叱りすぎるのもよくないことですが、まったく叱らないのもよいとは思いません。

叱りすぎることも、まったく叱らないことも、子どもにとっては心地よいことではありません。

何かにつけていつも叱られているばかりだと、子どもは親からは何も評価されていないと思います。

逆に、まったく叱られないと、親は本当に自分のことを思ってくれているのだろうかと不安になってきます。

いつもの寝る時間になってもゲームに夢中になっている子どもに、「いい加減にしないか!すぐにやめて寝なさい!」と厳しく叱るのは父親の役割です。

父親がまったく叱らないために、叱ることまで母親がしなければならないのは、母親にとっては大きな負担です。

おまけに子どもとの関係もぎこちなくなりがちです。

子どもが家庭内のルールや社会のルールを破ったとき、他の人を故意に傷つけたとき(身体的・精神的)には、腹立たしさのあまり感情的になってもいいですから、きちんと叱ってください。

叱ったあとは必ず子どもの言い分と気持ちをじっくりと聞いてください。

父親が子どもと向かい合って叱るということは、「お前は我が家にとっては大事な存在なのだ」ということを伝えることです。

場合によっては子どもは「お父さんなんか、大嫌い!」と反発するかも知れませんが、きっと、どこかで親の気持ちは通じていて、嬉しい気持ちを抱いているはずです。

そして母親は子どもが父親に叱られてしゅんとしていたら慰めてあげてください。

さらには父親の気持ちを必要に応じて説明してあげてください。

Q20 子どもをせかしてしまう

Q.4歳の男の子がいます。どうしてもついつい子どもをせかしてしまいます。今日も靴を履くのに手間取っていて、こちらは時間がなくて急いでいたので、「早くしなさい!」と叱ってしまいました。気分をこわした子どもは玄関で泣き出し、余計に時間がかかりました。

A.お母さんとしては、忍耐して子どもを待っているのですが、もたもたしている子どもを見ていると、イライラしてしまい、「こんなことぐらいで何で時間がかかるの?!」、「手間取るの?!」と、叱ってしまう気持ちはよく分かります。

しかし、こんなとき、どちらがどちらのペースに合わせるのかという問題になります。

子どもと親の関係は「二人三脚」と言われています。

どちらかが焦って速く走ろうとしたら、一方はつまずいて転げてしまいます。

もう一方のペースに合わせて走らないとスムーズに前には進みません。

相手のペースを考えずに走ろうとすると、こちらも足を引っ張られてうまく走れません。

こんなときは、遅い相手のペースに合わせるしかありません。

幼稚園児の子どもの手先の機能は十分には発達していません。

靴を両手の親指で広げて、つま先を靴に入れて、靴のかかとを踏まないように履く、子どもにとっては大きな作業です。

ここは、子どものペースに合わせませんか。

子どもだってお母さんに叱られる前に早く履きたいと思って、必死になっていると思います。

そして最後まで自分で履きたいのです。

この子どもの気持ちを尊重してください。

急ぐからといって、いつも子どもの代わりに親が靴を履かせていると、いつまでたっても子どもは靴を履くのが上手になりません。

一時の辛抱です。ゆったりした気分で待ってあげてください。

「なんで早くできないの?!」、「なんでもっとちゃんとできないの?!」と迫られると、子どもは「やる気」をなくしてしまいます。

Q21 子どもの反抗に手を焼く

Q.2歳8ヶ月の男の子がいます。このごろ何かにつけてまずは「イヤ!」と言い、次は「自分でやる!」と言います。この間もパンにジャムをつけていると、「イヤだ!僕がする」と言い張ります。結局はジャムはテーブルに飛び散り、パンはグチャグチャ! 余計に手がかかるようになり、母は毎日イライラしています。

A.2、3歳になると子どもは第一反抗期と呼ばれている時期になります。

何でも自分でまずはやってみたいのです。

お父さんやお母さんから「こうしなさい、ああしなさい」と言われると、まずは「イヤ!」と言います。

赤ちゃんの時期はお母さんやお父さんに全面的に身を任せて、たっぷりと甘えながら成長してきました。

自分にとって「安心できる基地」を得た子どもは、外へ目を向け始め好奇心を持つようになります。

自分が目に触れるもの、手に触れるもの、ひとつひとつが面白く見えます。

ともかくは触りたい、動かしてみたい。

口に入れてみたいと思います。

これが子どもの自立の始まりの第一歩です。

ですから、この時期の子どもは手がかかります。

手がかかるようになったということは、自立が始まったということであり、子どもが順調に成長しているということで喜ばしいことです。

これからお子さんはますます手がかかるようになります。

いたずらもするようになります。

自分のいたずらで周囲の大人が驚いたり、あわてたりしているのを見るのは、子どもにとっては心地よいことです。

なぜなら自分のやったことで大人を動かしたのですから。

大人の側の都合で子どもの困った行動を叱ったり、止めたりするのはよくありません。

子ども自身が自ら進んでやるという自発性が育つのを妨げることになります。

子どもがこの時期、お父さんもお母さんも、子どものイタズラを一緒に楽しむような子ども心が持てれば、少しは気が楽になると思います。

Q22 夫にグチを聞いてほしい

Q.5歳の男の子がいます。先日、長男があまりにも母親の言うことをきかないので、大声で怒鳴っているところに、珍しく夫が早く帰ってきました。夫が間に入ってくれるものと思っていたら、チラッとこちらを見ただけで素通りして、着替えに行きました。そんな夫の姿を見て余計に腹が立ち、いけないと思いながら、ますます長男を叱ってしまいました。

A.お父さんが帰ってきたとき、すぐに間に入ってきてくれて、「どうしたんだ?なにがあったんだ?」と、話を聞いてほしかったですね。

子どもは親の思い通りに動いてくれない、育たないと、頭では分かっていても、子どもと二人の時間が長いと、いつの間にかお母さんにはストレスが溜まります。

お父さん、お母さんのグチを聞いてあげてください。

たとえ帰宅が遅かった日でも、「今日は子どもはどんな様子だった?」とお母さんと話す時間を、是非作ってください。

「なんであの子は、母親の言うことに、いちいち、『イヤッ!』と答えるの?」と、お母さんの悩みを聞いてあげてください。

そして、お母さん、お父さんに子どものことを話すとき、グチばかりでなく、「今日、こんな嬉しいことがあったよ」と、子どもについての新しい発見を、お父さんに伝えてください。

「今日は、子どもと一緒にいて嬉しかったことはなんだろう?」と一日を振り返ると、なにかひとつやふたつはあります。

子どもの成長を知ることは、お父さんにとっても嬉しいことです。

子育ては母親だけでするものではなく、夫婦で支え合いながらするものです。

お父さんはただの給料運びで、同居人ではありません。

子育ての大変な時期に、夫婦で助け合いながら子どもたちを精一杯育ててきたという記憶は、子どもたちが自立をして夫婦だけが残されたとき、夫婦の絆を強めるものとなります。

Q23 夫はわたしの気持ちを分かっていない

Q.3歳の男の子と3ヶ月の女の子がいます。週日は夫の帰りは遅く、二人の子供の世話はわたしがしています。先日、帰宅した夫に、「下の子の食事をさせていると、お兄ちゃんが『僕も食べさせて!』と言って大変だったのよ!」とグチると、「仕方ないじゃないか。赤ちゃん返りをしているんだ。ともかくも順番に食べさせたら!」とそっけない返事!! わたしは夫に解説を求めているのではないのです。

A.「解説を求めているのではない」というお母さんの気持ちはよく分かります。

この手紙はお父さんに読んでもらってください。

お父さん!お母さんが求めているのは、まずは、その日、二人の子どもの対応に大変な思いをしたというお母さんの気持ちです。

お母さんはお父さんが仕事や付き合いで帰宅が遅いことを責めているのではありません。

(もちろん、たまには早く帰って来てくれればいいのに、と少しは思っています。)

「それは大変だったなぁ。

同僚からも聞いたことがあるけど、下に弟や妹ができると、上の子どもは焼き餅を焼いて、赤ちゃんみたいになるんだってなぁ。

これからは毎日のように、お兄ちゃんは余計に甘えてくるかも?! すまんなぁ、ありがとう!」

の一言で、お母さんはまた明日から気持ちを入れ換えて「頑張ろう!」と元気が出てきます。

お母さんが多くの場合求めているのは、助言や解決策あるいは子どもの行動に対する分析ではなく、「そうなんだ。大変な思いをしたんだ!」と、お母さんの気持ちや感情をまず聞いてくれて、大変でつらかった気持ちを受け入れてくれることです。

「仕方ないだろう! 子どもの世話はお前の役目だろ!」とか、「疲れて帰って来て、そんなグチを聞かされるのか!」と、お父さんから言われることは、とてもつらいことです。

「大変だったね、ありがとう!」の一言はとても嬉しいものです。

「わたしはひとりで子育てをしているのではない」と、お母さんを勇気づけます。

Q24 子どもがなかなかゲームをやめない!

Q.年長の子どもはテレビゲームが大好きで、一度始めたら、なかなかやめません。ちいさな画面に長時間見入っているのは目によくないし、ゲームを終えたときにはしばらくボーッとしています。ゲームを禁止するわけにはいきませんから、時間制限をしたいと思うのですが、どのように子どもに声をかければいいでしょうか。

A.我が家の3人の息子たちもファミコンが大好きでした。

気がついたときには、毎日、毎日、テレビの前に座り込み、ピコピコと長時間ゲームに熱中していました。

何度注意しても「わかった、もうすぐやめる」の繰り返しなので、

怒ったわたしは子どもの目の前で、テレビからファミコンを取り外し、ベランダに持って行って、床に叩きつけました。

この私の衝動的な行動に驚いたのか、数ヶ月後にスーパーファミコンを兄弟でお金を出し合って購入した後は、「週末と休日の1時間ずつしかしない」という約束を子どもたちの方から提案してきて、楽しんでいました。

ファミコンをいきなり壊すという私のやり方は、あまりにも脅迫的だったと今では少し後悔していますが、その後、子どもたちが自分たちでルールを作り、そのルールの範囲内で目一杯楽しむという遊び方を作り出す契機になったことは確かなようです。

いくら大人が注意をしても、面白くてたまらないゲームを中途でやめるということは、なかなかできるものではありません。

そのうち、親の側が忍耐できなくなって、「いい加減にしろ!」と怒鳴ってしまいます。

子どもと時間の約束をしてください。

その場合、子どもに終了時間を決めさせてください。

1日のプレイの目安は1時間です。約束の時間になったら、声をかけ、それでもやめないのなら、「お母さんが約束を破ったら、どんな気持ちがする?」という声かけをしてください。

親が一方的に指示しても、子どもは反抗するだけです。

Q25 姉が妹に嫉妬する!

Q.父親が3歳の妹と遊んでいると、5歳の姉が割り込んできて、「お父さん、さっきわたしに絵本を読んでくれると言ったでしょう。早く、読んでよ!」と、妹を押し退ける場面が多く見られます。こんなとき、姉の要望にどこまで付き合えばいいでしょうか。

A.妹に嫉妬している姉の気持ちは分かりますが、他の人を押し退けて割り込むのはよくないことだという「社会性」を教えることも大切です。

嫉妬心を持つことは自然な感情ですが、場面によっては嫉妬心を抑えなければならないということも学ばなければなりません。

こんなとき父親は姉に「お父さんはいま、妹と一緒に遊んでいるから、ちょっと待ってよ。あとで約束通り絵本を読んであげるから」と言って、姉に社会性を教え、少し我慢をすることを求めてください。

もしそれでも姉がしつこく、「ねぇ、お父さん、早く絵本を読んでよ!」」と何度でも求めてくるならば、「何度言ったら分かるんだ! しつこいよ!」ときつくたしなめるのも、ひとつの対応の仕方です。

姉はお父さんに叱られて泣くかも知れません。

しかし泣きながら、物事は必ずしも自分の思い通りにはならない、ときには我慢をしなければならないということを覚えるようになります。

この場合、お父さんにきつく叱られたことが「心の傷」になって残るということはありません。

なぜならば、5歳の姉には自分の父親への願いが無理なことだということは十分に分かっています。

ただ無意識に心の奥底からわき出てくる「嫉妬心」を自分で抑えることができないのです。

「ダメな事はダメだ!」と強く自分を制止してくれた父親にはどこかで一目置いています。

もしもここで姉の要求を簡単に受け入れたならば、妹を押し退けて父親を独占できたことに満足し、自分の思い通りに動いてくれた父親を軽く見なしてしまい、父親と娘の立場が逆転してしまいます。

Q26 赤ちゃんの授乳が大変!?

Q.4ヶ月前に生まれた我が家の長男、待ちに待った待望の赤ちゃんでした。しかし、近頃、母親の私は疲れ気味で、うんざりです。30分~1時間ごとに泣くので、お腹が空いているのだろうと思って母乳を飲ませるのですが、少し飲むだけで乳首を離し、ウトウト・・・。ベッドに降ろすと「ゥギャッ~」と泣くので、かわいそうに思い、1日中、ほとんど抱いたままです。

泣くたびに飲ませるべきなのでしょうか?

泣かせないように抱いていたほうがいいのでしょうか?

両親たちは二人目を望んでいるのですが、とてもその気になれません。

A.毎日、大変な思いをしながら子育てをされているのですね。

授乳にしても、抱くことにしても、赤ちゃんを中心に関わるのか、それとも母親の体調や都合を優先させながら関わるのかという問題になるだろうと思います。

赤ちゃんは空腹なとき、不快に感じるときには必ず泣きます。

泣くことしか周囲に訴える方法がないからです。

授乳しても、1時間もたたないうちに泣きだす赤ちゃんに、授乳や抱くというお世話をしていると、それは30分ごとにもなります。

夜も昼も大変になり、楽しみにしていた育児も、「ものすごく大変!」という苦痛に変わっているのだろうと思います。

「その大変さは一時的! その大変さを引き受けるのが子育て!」という考え方もありますが、大変な毎日が続くと、ついには疲労や不眠で育児ノイローゼになってしまいます。

「欲しがるときに欲しがるだけ」授乳する、泣くたびに「抱っこをする」ことが、本当に人間の脳の発達に合わせた育児法なのか、授乳間隔をどうするか、それは親が決めればいいことではないか、赤ちゃんに多少の我慢をさせることも必要ではないかと、最近の脳科学者によっては違った見方をする方もおられます。

実際に激しく泣いている赤ちゃんを目の前にして、1時間前に授乳させたのだから少しは我慢させよう、泣くことも赤ちゃんにとっては運動だから放っておこう、という気持ちにはなかなかなれませんが、「1時間前に飲んだのから、あと30分は我慢して! お母さんにもう少し眠る時間をちょうだい!」と、ときには開き直ってもいいのではないかと思います。

そしてお母さん休息のために、お父さんにもたまには頼んでみてください。

Q27 むずかしい年頃!?

Q.年長の5歳の長男は近頃少し変です。年少、年中の頃は、幼稚園から帰ると、「今日は○○ちゃんと遊んだ」、「○○ちゃんとけんかをした!」などと、よく話してくれていたのですが、年長になってこのごろ、少し変わってきました。

「今日は幼稚園どうだった?」と聞くと、「べつに」の返事・・・。しつこく聞くと、いやそうな顔をして親から離れていきます。どのように接するのがいいでしょうか。

A.思春期(12~18歳)を迎えた子どもに典型的に見られる変化ですが、年長になった男の子にもよく見られる変化です。

何でも親に話していた子どもが、次第に親を避けて何もしゃべらなくなります。

幼稚園での出来事、友だちとのこと、何を思っているのか、しゃべらなくなります。

しつこく聞こうとすると、「うるさいなぁ!」と不機嫌になります。

親の側からすれば、子どものこうした変化を理解できず、逆に「生意気になった!」と思ったり、子どもの変化についていけず、心配になります。

しかし、このような変化も、子どものひとつの発達の段階です。

「自分は自分、他の人とは違う」とちゃんとした「自我」を作ろうとしている段階です。

親と離れようとしています。幼稚園のことや友だちのことを話そうとしないのは、自分の世界や体験を親に知られたくないからです。

けれども別に子どもは悪いことをしているから話したくないのではありません。

子どもにとってはやがて迎える自立のための準備を無意識のうちにしているのです。

「子どものことを全部知っていたい」が親心ですが、この時期から子どもたちは親には話したくない、知られたくない「秘密のポケット」を一つ二つと増やしながら心も体も大きくなっていきます。

でも5歳の子どもは、やっぱり5歳です。

昨日は親の質問に不機嫌だった子どもが、今日は人が代わったように年少時代に逆戻り! ということも大いにあり得ます。

そのときはそんな子どもを受け入れてください。

明日は不機嫌な子どもになるかも知れませんが・・・。

Q28 ついつい口うるさい母親に!?

Q.4歳の子どもについつい口うるさくなります。ご飯を食べているときにじっとイスに座っておれないとき、夜9時前には寝床につくと約束をしているのに遊んでいてなかなか寝つかないとき、・・・なにかにつけて口うるさく叱ってしまいます。叱ったあとは後味のいいものではありません。

A.家庭は父性原理と母性原理がほどよくバランスがとれていることが必要だろうと思います。

父性原理というのは「切る」「区別する」役割です。

極端な言い方をすると「言うことをきかない奴は我が子でも容赦はしない」という厳しい態度です。

それに対して母性原理というのは「受け入れる」「守る」とう役割です。

「どんなにあかんたれでも大事な我が子」というやさしい態度です。

しかし「あなたが大事」「あなたが好き」という母性原理を言葉にすることは、母親と言えどもなかなか苦手であり、「いいかげんにしなさい」「早く寝なさい」と父性原理の方が言葉に出しやすいので、ついつい母親も口うるさくなります。

家の中で父親からも母親からも叱られると、子どもは「自分は大事にされていない」「自分はちゃんと守られていない」というような感覚を持ってしまいます。

ひとつの方法は母親の言いたがっていることを、父親が先手を取って「いいかげんにしろ!」と毅然と厳しく言って、「そんにきつい言い方をしなくても」と母親が子どもを守るような言い方をすることです。

もちろん家庭によっては女親が父性をやり、男親が母性をやるというようなこともあり得ます。

あるいはひとりが両方を持ってもかまいません。

お父さんかお母さんに育てられて立派に育っている子どもは沢山います。

大事なことは厳しく接するべきときは厳しく、やさしく受け入れるときはやさしくというメリハリとバランスだろうと思います。

父親と母親がお互いにどのような役割をするのか、十分に話し合ってください。

お父さんが何も厳しく言わないなら、お母さんはどうしてもイラついてしまいます。

Q29 子どもの欲しがるものを買い与える!?

Q.共稼ぎをしていて、なかなかゆっくりと子どもと接する時間がなく、そのことをいつも後ろめたく思っています。そのためか、子どもから「買って!」と言われると、つい簡単に買い与えてしまいます。果たしてそうすることが子どもにとってよかったことなのか、いつも買い物のあとで悩んでいます。

A.日頃、子どもと十分に関わる時間がないから申し訳ない、せめて子どもが欲しがるものは買ってあげよう、そうすることによって親としての威厳を保っておこうする気持ちはよく分かります。

しかし、子どもが求めているものは「物」ではなく、親の「こころ」だろうと思います。

ある日、子どもと一緒にスーパーに行ったときに、たまたま子どもが以前から欲しがっていたゲームソフトを見つけたとします。

「買って!」とせがまれて、親の財布から数千円のお金を出して買い与えるのは簡単なことですが、しかしそうすることが子どもにとって必要とされていることであるかは別問題です。

物が豊かな時代にこそ、「こころを使う」ことを心がけることが大事です。

「我が家では高価なものは誕生日とクリスマスのときにしか買わない」と断固として決めていると、子どもは気ままに「買って!」とは言いませんし、言ったとしても誕生日とクリスマスが来るのを心を踊らせながら待つという体験をさせます。

「誕生日にね、クリスマスにね」と、子どもにとっては絶対に超えられない枠というものがあることを知ることは必要です。

子どもはその「枠」に自分が守られているということを体験するからです。

自分がどんな「枠」によって守られているのか、子どもはときに問題行動という周囲の大人たちを悩ませる行動をして試そうとします。

「子どもの欲しいという気持ちは受け入れても、この願いについ実現されない」と親自身も悩みながら子どもと接することが、家族の中で子どもと一体感を経験することになると思います。

「欲しがるものは買い与える」という親を子どもは求めてはいません。

Q30 子どもが不登校になったのは親のせい?

Q.小学校4年の長男は不登校気味です。学校へ行けたとしても、保健室で過ごしています。夫婦にとって初めての子どもだし、また双方の親にとっても初めての孫だったので、可愛がりました。甘やかせ過ぎたので、こんな子どもに育ったのでしょうか。

A.子育ての過程で、たとえ何か問題があったとしても、それが子どもの不登校の原因を生み出しているとは必ずしも言えません。

「わたしの育て方が悪かったのです」と涙を流される親を多く見かけますが、なにも育て方が悪かったのではないのです。

過ぎ去った過去のことを反省をしても、現在を変えることはできません。

反省するよりも、「これから、親としてこの子に対して何ができるか」を考えることです。

原因があって、こういう結果になったと、誰にも分かりやすく「原因・結果」論で子育ては説明できません。

人間が引き起こす出来事について、「お前が悪い」、「あなたこそ反省すべきだ」と言って、カタがつくようなら問題とは言えません。

実際は、そんなに単純ではなく、数えきれない多くの要因が絡み合って複雑です。

父親や母親だけではなく、その子どもを取り巻く周囲の人たちが変わらなくてはならない場合が多いのです。

大事なのは過去のことを反省するよりも、これから「どうするか」です。

両親や周囲の大人たちが自分たちのそれまでの生き方や価値観をどのように変革していくかが問われているのだろうと思います。

いつも叱ってばかりいた母親は叱るのをやめて子どもを受け入れる側にまわり、いつもは後ろで知らん顔をしていた父親がもっと子どもの様子に目を向ける、そういう子どもを取り巻く周囲の変化が求められているのだろうと思います。

なにひとつ問題のない完全な家族というのはありません。

家族全体の抱えている矛盾というものを子どもが一身に背負って、周囲の大人たちにとっては厄介な行動を引き起こしているのではないかと思います。

その家族にとって、何が課題なのか、考える機会を与えられているのではないでしょうか。

Q31 子どもの夜更かし-規則正しい生活習慣

Q.もうすぐ5歳になる男の子が夜更かしをして困っています。父親が帰ってくるのを待つのだと言って、なかなか寝ません。父親も子どもが寝ないで待っているのが少し嬉しいようです。帰って来た父親と遊ぶので、ますます興奮して寝るのが遅くなり、朝寝坊です。

A.6歳までの時期に「規則正しい生活習慣」を身につけることがとても大切です。

(1)夜は9時前後に寝て、朝は7時前後に起きて、10時間ほどの睡眠時間をとる。

(2)朝食を必ず食べる。

この二つの基本的生活習慣を身につけることができれば、その後の子どものこころと体の成長と発達に大きく貢献することになります。

3歳から6歳あたりの年代では、脳の発育にとって10時間の睡眠が必要です。

夜更かしをして睡眠時間が十分に取れないと、目を覚ましても体が起きていないために活気がありません。

食欲が出ないので朝食が食べれないため、その日の午前中は不機嫌でイライラと落ち着きがありません。

子どもからすれば夜遅く帰ってくるお父さんを待って少しでも遊びたいと思いますし、親と子のスキンシップが大事だと考えるお父さんは少しの時間でも子どもと関わりたいと思います。

子どもの夜更かしが毎日のように繰り返されると、すべてが悪循環になって睡眠不足がだんだんとエスカレートします。

年長になればテレビゲームに熱中したり、親と一緒にテレビドラマを見るなど、さらに夜更かしの要因が重なってきます。

やがては思春期になって身体的・精神的なさまざまな問題を抱えるようになります。

幼稚園の時期は、子どもとの毎日のスキンシップも大事ですが、毎日の規則正しい睡眠時間の方が、もっと大事です。

子どもと一緒に食事をして、子どもと一緒にお風呂に入いれば、その間に子どもと会話もできるし、寝る前に「絵本の読み聞かせ」をすれば、スキンシップもできます。

時間をかけた本格的な子どもとの触れ合いは、休日、祝日に十分に味わってください。

子どものこころと体の健やかな成長と発達のために家族で工夫をしてください。

Q32 「絵本の読み聞かせ」という贈りもの

Q.もうすぐ4歳になる子どもは寝る前に必ず数冊の絵本を持ってきて、「読み聞かせ」をねだります。子どもが幼いときの「読み聞かせ」は大事だとよく言われていますが、子どもが文字を読めるようになったら「読み聞かせ」は必要ないのでしょうか。

A.小中学生の「読書離れ」が問題になっていますが、ある調査によりますと、自分で本を読むことの好きな子は、多くの場合、赤ちゃんの頃から親から頻繁に「読み聞かせ」をやってもらっていたそうです。声で語られる言葉を耳で繰り返し受け止めるという体験は、とても大事です。テレビやCDから流れてくる言葉は単に「機械の音」であり、感情や表情を持っていません。人間が向かい合う中で、子どもが親の肌のぬくもりを感じながら、声で語られる言葉に触れていくという体験は、親から子どもへの最高の贈りものです。子どもは5,6歳で文字を少しずつ覚えていきますから、子どもによっては独りで絵本を何冊も読み進める子どももいます。しかし文字は記号であり大変限られたものですし、本を読むということは言葉の中にひとりで入っていく作業に過ぎません。しかし、読んでもらうというのは、語る人がいて、聞く人がそこにいます。つまり、絵本という架け橋を通して人が人と一緒にいるという体験をしているのです。「人が人と共にいるということの素晴らしさ」を子どものときに繰り返し体験して、しかも耳から言葉を繰り返し聞いていると、言葉の世界に自由に出たり入ったりする力を身につけていきますから、やがては文字をマスターすると本を読むことが好きになります。たとえ子どもが文字を覚えても「読み聞かせ」は続けてください。最後に、「読み聞かせ」はお母さんだけの仕事ではありません。お父さんもどんどんやってください。

Q33 子どもをやる気にさせる4つのスイッチ

Q.ヨコミネ式「子どもをやる気にさせる4つのスイッチ」について教えてください。

A.ヨコミネ式教育法を始めた横峯吉文先生は、30年間子どもたちを観察していて、子どもには「やる気になるスイッチ」が4つあることに気づきました。スイッチ1は「子どもは競争したがる」、スイッチ2は「子どもは真似をしたがる」、スイッチ3は「子どもはちょっとだけ難しいことをしたがる」、スイッチ4は「子どもは認められたがる」です。これらのスイッチをうまく押してあげると、子どもは見違えるように伸びていきます。(スイッチ1から順番に説明します)

スイッチ1「子どもは競争したがる」について:子どもは競争することが大好きです。子どもたちにとっての「競争」は、大人が考える「競争」とはまったく違っています。大人はそこを誤解しがちです。大人の世界で「勝った」「負けた」という張り合いは、いがみ合いや、ねたみや、他人の失敗を喜ぶという側面があり、お互いをつぶし合い、足の引っ張り合いをするような競争が多いようです。しかし、子どもたちの競争は、もっと素直です。できる子にあこがれ、「自分もあの子のようになりたい」という思いを抱くのが、子どもたちの持っている競争心です。子どもは負けると涙を流して悔しがります。しかし、その涙は「あいつを引きずり下ろしてやろう」という恨みや妬みからではないのです。ときには「あの子のようになりたい」という憧れや尊敬の気持ちを持っています。子どもには「成長したい」という本能があり、できる子の存在を認め、その子に近づきたいという気持ちが起こってくるのです。その気持ちにスイッチを入れるために、子どもたちに競争をさせるのです。幼稚園では毎日「かけっこ」をしています。園児たちはただ走るのが好きだから毎日喜んで走っているのではなく、みんなと競争するのが好きだから走っているのです。「一人であそこまで走ってきて」と言われて喜んで走る子どもはいません。「誰があそこまで走って、一番早い!?」と言われて、一斉に走ります。 子どもたちは競争することによって、お互いの成長を確かめています。

(以上の内容は次の本を参考に作成しています。横峯吉文著『ヨコミネ式子どもが天才になる4つのスイッチ』日本文芸舎)

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