MENU

ご相談やご見学など、お気軽にお問い合わせください。

個別の園内見学なども随時受け付けております。

「どんな雰囲気かを見てみたい」「まずは話を聞いてみたい」など、お気軽にお電話またはフォームからご連絡ください。

お電話でのお問い合わせ

089-923-0074

平日 8:30〜17:00土日祝日、年末年始は除く。

フォームからお問い合わせ

「楽苦(たのくる)しかった子育て」

夫婦は「いつでも別れられる他人同士が同居している」関係ですが、子どもと親は「簡単には離れられない」関係です。

 この「いつでも別れられる」関係と、勘当しても親子は親子という「離れられない」関係が、家族内に同居しているので、家族は「面白くて、何が起こるか分からない集り」なのだろうと思います。

 この家族に、兄弟姉妹という関係が入り込んでくると、ややこしいことが起こります。

 兄姉からすれば、あとで入り込んできた弟妹に父母の関心を奪われるので、面白くありません。あとから生まれた弟妹にすれ

ば、最初から邪魔者がいるのですから、困ったものです。

 子ども達にとっては、自分の意志で選んだのではない両親と兄弟姉妹と、一定の期間、一緒に同じ場に住み続けなければならないのですが、この経験がいずれ自立して社会に出ていくために必要なのだろうと思います。

 親の側からすれば、「勘当しても親子は親子」というどうしても子どもを放っておけない関係のために、子どもにものすごく振り回されます。

毎日、楽しそうに通っていたはずの幼稚園に、ある日突然「行きたくない!」と言い出した子どもに、「行きたくないのだったら、別に行かなくてもいいよ!」とはなかなか言えず、「我が子に限って、なんでこんなことを言い出すのか」とあわててしまいます。

「親の育て方、子どもへの関わり方がいけなかったのだろうか?」と、いろいろと反省するのですが、すぐに心当たりは見つかりません。

子どもが親を困らせる行動は、親にとっては「子どもの問題行動」なのですが、当事者の子どもは「自分が悪いことをしている問題行動」とは少しも思っていません。

子どもから突きつけられた親にとっての「子どもの問題行動」を、子どもから親に向けられた問題提起として視点を変えて、「子どもは私たち夫婦に何を訴えようとしているのだろう?」と思いをめぐらせるようになると、いつの間にか子どもに変容が起こり、振り回されていた問題が、以前とは違った流れになっていることに気づかされることが多いのです。

 家族は常に動いています。「なんでうちの家族にこんなことが起こるの?」と嘆くのですが、どの家庭も似たりよったりの問題を抱えていて、完全無欠な家族というのはありません。

 子どもは親からすれば「わたしの子ども」というわたしの持ちものと思いたくなるのですが、決して自由自在に扱えるものではありません。「わたしの子どもだから、わたしに似ている」ようで、すべてが似ているわけではありません。わたしの一部だからといって、何を考えているのか分かりません。「子育て」は時には予測もしなかった事態に巻き込まれるので、ある人に言わせれば子育ては「楽苦(たのくる)しい」のだろうと思います。  親だけの力だけでは思い通りにゆかない子育て、けれども子どもが家を出て自立するまでは親が責任を負わなければならない厄介な?「子育て」を、わたしはそれなりに楽苦しみ、人間として成長させられたように思います。三人の息子たちに本当に感謝です。

目次